成人の日


成人の日は、1948年に「1月15日は、おとなになったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い励ます日」と法律で定められました。現在は、2000年に制定されたハッピーマンデー法に基づき1月の第2月曜日に改正されています。


出典: 日本文化いろは辞典




♦詳細

<成人式の存在意義>

成人の日は、新成人達が両親や周りの大人達に保護されてきた子供時代を終え、自立し、大人の社会へ仲間入りすることを自覚するための儀式(成人式)を行う日です。

各地方自治体で成人の日に行われる成人式では、女性は振袖、男性はスーツや羽織り袴などの正装に身を包み、市長などから祝福の言葉を贈られます。しかし近年、成人式で一部の新成人が野次を飛ばす等トラブルを引き起こす場面が多く見られます。現在の法律では20歳という年齢をもって成人したものとみなし、飲酒、喫煙、投票などが許されますが、このような非常識な行為を見るにつれ、現在では成人式を迎えることよりも、社会人になることの方が一人前になる、大人になると意識される傾向が強く感じられます。


<起源・歴史古来の儀式>

成人を祝う風習は古来から存在していました。男子は、髪を結い冠または烏帽子をつけ、服装を改め成人したことを周囲に示しました。また、幼名から烏帽子名に改名する風習も盛んでした(元服・烏帽子〔えぼし〕式)。女子の場合は"裳"という腰から下にまとう衣服を身に付ける裳着〔もぎ〕、髪を結い上げる髪上〔かみあげ〕、歯を黒く染める鉄漿〔かね〕(お歯黒)付けを成人の儀礼としました。

一方貴族のように位の高い人々のみにとどまらず、各地の村々でも村人たちが定めた成人の儀式が行われていました。しかしそれは、現在のようにある一定の年齢(20歳)を越えれば成人といった年齢基準ではなく、例えば「1日に60キロの柴を刈って12キロ売り歩けたら一人前の男である」など、年齢に関係なくその行為が出来れば成人として認めるといったものでした。これらの儀式は成年式・成女式などと呼ばれていましたが、明治以降一部の地域を除き、衰退してゆきました。

明治以降になると、男子は兵役につく義務を課せられました。兵役につくためには徴兵検査を受ける必要があり、この徴兵検査が成人式の意味をもち、成人式制定のきっかけとなりました。戦後、兵役の義務がなくなり、1948年の"国民の祝日に関する法律"によって「成人の日」は正式な祝日と定められました。


<行事成人の日に込められた想い>

現在成人の日は1月の第2月曜と制定されています。全国で地域ごとに差はあるものの、毎年1月の上旬から中旬にかけて成人式が行われています。

しかしおめでたい事とはいえ、何故成人の日を祝日にしたのでしょうか。一説によると、戦後物資も食料も足りない時代で一番乏しいとされていたのは「人材」でした。良い「国家」を作っていくためには、国民自身が成長していかなくてはならないと考えた当時の役人たちは、「こどもから大人になった自覚を持ってほしい」と願ってこの日を祝日にしたそうです。このように成人の日に込められた先人の想いを知ることが、成人になる第一歩なのではないでしょうか。


出典: 日本文化いろは辞典



名前や着物、髪型を変える


古代から成人式は行われていましたが、その目的は、肉体的に一人前になったのを機に、それまで不安定だった霊魂を、安定に向かわせることでした。


平安時代の貴族社会では、男子は15歳前後で大人の髪に結い、公家なら冠、武士は烏帽子(えぼし)をかぶり、大人の装束を身につける「元服」を行いました。


女子は初潮を迎えると、裳(も)と呼ばれる衣装を着け、髪を結い上げる儀式を行いました。


また、男女ともに鉄漿(かね)をつけて歯を黒くする習わしがありました。


さらに、それまでの幼名を「実名」「烏帽子名(えぼしな)」といわれる成人名に変えました。


このときの名付け親が「烏帽子親」で、社会的な後見人として、その後も子どもを守りました。


出典: ワイドバラエティー




♦豆知識

<名前や着物、髪型を変える>

古代から成人式は行われていましたが、その目的は、肉体的に一人前になったのを機に、それまで不安定だった霊魂を、安定に向かわせることでした。


平安時代の貴族社会では、男子は15歳前後で大人の髪に結い、公家なら冠、武士は烏帽子(えぼし)をかぶり、大人の装束を身につける「元服」を行いました。


女子は初潮を迎えると、裳(も)と呼ばれる衣装を着け、髪を結い上げる儀式を行いました。


また、男女ともに鉄漿(かね)をつけて歯を黒くする習わしがありました。


さらに、それまでの幼名を「実名」「烏帽子名(えぼしな)」といわれる成人名に変えました。


このときの名付け親が「烏帽子親」で、社会的な後見人として、その後も子どもを守りました。


<成人式の装い>

女性は、未婚の女性の正礼装である振袖が一般的。


フォーマルなドレスやスーツでもかまわない。


男性はスーツが多いが、紋付の羽織袴を着る人も増えている。



<褌(ふんどし)祝いと腰巻き祝い>

昔の村では、男子の成人式を「褌祝い」、女子の場合を「腰巻き祝い」などといいました。


褌も腰巻きも性的に成熟した大人がつけるものだからです。


これらの習わしでは、褌や腰巻きは「褌親」「腰巻き親」などと呼ばれる仮親から贈られました。


仮親と子は、その後も実の親子同様の関係を続けるのが習わしでした。


また、村で一人前として認められるにはふたつの条件がありました。


ひとつは、年齢によるもので、若者組や娘組に入ること。


もうひとつが、労働力によるもの。


男子は四斗俵(60㎏)が担げる、日に一反の田畑がおこせる、日に七畝(ななせ)の田植えができるなどで、女子はその半分から7~8割程度の仕事量がこなせることでした。


なお、戦前は徴兵検査の合格も一人前の基準とされていました。



<現在の成人式の始まり>

現在の成人式は、1946年に埼玉県蕨(わらび)町(現・蕨市)で行われた「成年式」がもとになっています。


戦後の混乱期、次代を担う青年たちが大人としての自覚を持ち、日本を建て直すために奮起するようにと同町の青年団が企画したものでした。


この成年式が発端となり、国民の祝日「成人の日」が制定されました。


出典: ワイドバラエティー